イラストSS

　シャイネンナハトと言えど聖都の警備をレオパルは怠らない。
　戦の気配がないこの場所の平穏を護るために出掛ける彼へと「良ければご一緒させて下さい！」とリゲルは微笑んだ。
「構わないが……さて、どこから行こうか」
「それならば、嘗て賊が根城にしていた区域は如何でしょうか。
　レオパル様が巡回なさるだけでも奴らの動きは食い止められるでしょうから」
　笑みを浮かべたリゲルは彼と共に見回りに出かけられることが喜ばしいと言った様子である。
　綻ぶ笑顔を浮かべるリゲルにレオパルはゆるゆると頷いて見せた。
　早速、共に巡回を始めよう――聖騎士団に休暇は許されないか。
　彼の考えたプランも良い。犯罪の芽は摘んでおくに限る。レオパルはマントをバサリと翻した。
「ならば、行こう。リゲルよ、遅れをとらぬように」
「はい！　レオパル様！」
　お供致しますとやる気を漲らせるリゲルに、少しばかりの微笑ましさを感じてレオパルは薄い笑みを浮かべた。
　――この輝かんばかりの夜を待ち望んだ美しい都の平和は彼らが守るのである。


　＊SS担当者：夏あかねGM