イラストSS

　クリスマスの夜、雪が降る崖の上。
「えへへ、それじゃアレクシエルさん、宜しくお願いしますー！」
　と、リリーがニコニコと笑みを浮かべると共に、ぴょんっ、と飛び込んでいく。
　小さな身体のリリーは、すぽっ、とアレクシエルの腕の中へと収まった。
　そして、抱き留めたアレクシエルは、その背中に沢山のプレゼントが入ったサンタ袋のソリを背負うと。
「それじゃ、しっかりと捕まっていてね？　最初はちょっと怖いかもしれないけど、私の腕の中なら、絶対に大丈夫だから、ね？」
「うん！」
　そして、アレクシエルは、リリーを胸の中にしっかりと抱き留めて、雪の降る空へと飛び上がっていく。
　空高く飛び上がれば飛び上がるほど、どんどんと寒くなる。
　けれど……アレクシエルの暖かさに包まれていて、全然寒くない。
「うわー……凄いね！　こんなに高い所まで飛んだことなかったの！」
「そうなのね？　雪が降ると、空が澄むのよ。だからほら、下の方も見てみて？」
「え？　……うわぁ……！」
　雪景色の中に、キラキラと煌めく街の灯。
　その景色にリリーはぱぁっ、と目を煌めかせながら。
「わぁ、アレクシエルさん、すっごくきれいー！」
　と、嬉しそうに胸の中ではしゃぐのであった。


　＊SS担当者：緋月燕GM