イラストSS

●衝撃の事実！　サンタは実在した！
　シャイネンナハトの夜。子供達は寝床に入り、プレゼントに胸を弾ませながら寝静まった時間。眞田は大きな白袋を持って、ひっそり窓から子ども部屋に侵入を試みた。
　不法侵入ではない。これは歴とした、サンタ業務の一環である。
　サンタが入れるようにと、親の計らいで窓に鍵は掛かっていなかった。若干の不用心さに不安を覚えつつも、今日は目出度い日。変な気を起こす輩もいないだろう。
　カチっと窓を開け、枕元にプレゼントを置こうとした瞬間。眞田の気配に気付いた子供がパチっと目を開ける！　一瞬合う目と目。子供はサンタの恰好の眞田を指差し、瞳を輝かせ「サンタさんだーっ！」と声を上げた。慌てて眞田は「しーっ」と口元に指をあて、静かにしてねのポーズをとる。
　子供はハっとしたように手で口を抑えた。サンタさんは仕事中なのだ、それに、両親に見つかったら生け捕りにされてしまうかもしれない。子供は黙って可愛く包まれたプレゼントの箱を見て、にっこり笑い、声には出さず口の形だけで「あ・り・が・と・う」と眞田へ伝えた。
　見つかっちゃったな、なんてミッション失敗しつつも、喜ぶ子供の顔に自然と眞田の頬は緩んだ。


　＊SS担当者：まなづる牡丹NM