イラスト詳細
志屍 瑠璃の枢真のえるによるおまけイラスト
志屍 瑠璃の枢真のえるによるおまけイラスト
イラストSS
●料亭の夜
「話には聞いていましたが……
やはり『そういう方』なのですね」
志屍 瑠璃(p3p000416)の言葉に死牡丹・梅泉(p3n000087)は「うん?」と問い返す視線を送った。部屋に広さは八畳余り。襖の向こうでは、日本風の庭園が雪化粧を纏っている。空を仰げば寒々しい冬の夜では、相変わらずちらつく雪に烟り、少しいびつに見える丸い月が照っている。
「『そういう』とは?」
「抜かねば穏やかな方と聞きました。
こうしてゆるりとお食事を取る姿を見て、成る程と」
「主には敵意はあるまいが」
「……ええ、それは。幾ばくかの興味はありますが」
日本刀を備えた女子には梅泉は慣れ切っている。そういう意味では瑠璃も同じジャンルであるとは言えるのだが、結果よりも過程。燃えに燃える鉄火場を好む梅泉や『彼女等』と違い、瑠璃は合理的に仕事を済ませたいタイプでもある。
「此方もいい機会だと思った故な。
動の剣もよし、されど静の剣もよしよ。
刃交わすのが手早いが、ローレットの連中は一頻り知ってもおきたい所」
風雅なる梅泉はやはり殺気も何もなく瑠璃を眺めている。
「――はて、主は如何ばかりかな?」