イラストSS

　ポシェティケトは思わず目を閉じてしまった。
　そこは一面の銀世界。
　氷に閉ざされた空間は、まばゆく輝く陽光によって、きらきらを反射していた。
　一瞬でも目をはなすことが惜しく感じるほどの 美しき一面の銀のまぶしい輝き。
　半透明の水晶となった氷に反射した 陽光が 目に入ってしまったのだ。
　もこもこのニットワンピースに身を包み、その上から更にマフラーで身を包んだ白き少女は、ほんのりと頬だけを赤らめながら歩き続ける。
　美妙の森を歩くその周囲を、くるくると飛びまわるクララはもこもこの身体をころころと転がし空を舞う。
「やっぱり、贈り物は特別な物じゃないと、ねえ」
　幽玄なる冬、幻想の如き銀世界の遥か奥。
　誰もが知らないようなその場所で、見つけた虹色とプリズムにポシェティケトは柔らかな笑みを浮かべた。


　＊SS担当者：春野紅葉GM