PandoraPartyProject

イラスト詳細

星降らんばかりの夜に

作者 くらい
人物 ドラマ・ゲツク
レオン・ドナーツ・バルトロメイ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ)
登録されているアルバム
納品日 2020年12月24日

8  

イラストSS

 吸い込まれそうな程の大空が広がっている。息を呑む衝撃に身を焦がしドラマ・ゲツクは振り返る。
「寒くなりましたね」
 そのルビーの瞳が細められれば「そうだな」と返す男のサファイアの瞳も楽しげな色を映した。
 レオン・ドナーツ・バルトロメイはどかりとその場に腰掛ければドラマは大判のブランケットを彼の肩へと掛けた。
「風邪を引いてしまいますから」
「準備万端じゃねぇか」
「ふふ。ホットミルクもありますよ。折角の夜ですから」
 そう言ってドラマが座ればその背中を覆い被さるように彼が抱え込む。「オマエも寒いだろ」と耳元で囁かれた言葉が、耳朶から滑り落ちて、夜に溶けていく。
「ええ……」
 これだけ近くに居れば心臓の音さえ、バレてしまうんじゃないかと思える距離感。
 赤く染まった耳朶は今は寒さのせいだと思っていて。屹度、彼にはそんな内心だって見透かされているけれど。
 息を呑んでからドラマは「綺麗ですね」と空を眺めた。
 何時だって、夜空は見上げてきたはずなのに。愛おしい人とみれば、こんなにも綺麗なのだ。
 普段と違うなんて事、在るはずないのに――星にも手を伸ばせば届くかも知れないという幻想。
「何考えてるんだ?」
「ええ。月が余りにも……綺麗だったので」



 *SS担当:夏あかね

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