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ゆるゆるキャンプなシャイネンナハト
イラストSS
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練達、再現性東京。
聖夜、混沌としては珍しいキャンプ場に、数人のイレギュラーズが集まっていた。
メンバーは武器商人や京司、武器商人の眷属や養い子、弟子達。皆でシャイネンナハト……クリスマスキャンプを楽しんでいる。
その服装も、再現性東京らしいもの。
例えば、武器商人は2010~20年代の日本を思わせるカジュアルな服装で、ゆったりとした冬服を着用している。
飛行種のヨタカは黒いニット帽に、首まであるキャメルのマウンテンパーカーを着用し、下は濃い紺色のジーンズに茶色のマウンテンブーツをはいている。
また、腰まで伸びた金髪に青薔薇を一輪咲かせた少女、ルミエールはニットトップスにミニスカート、茶色のブーツと実に可愛らしい。
「たまにはこういう野営もいいものだね」
元々、あちらこちらを渡り歩く武器商人は野営など慣れたものだが、混沌の地で縁深き者達とだけで楽しむキャンプはまた格別だ。
混沌の旅では考えられないだろうが、テントもクリスマス風にしてキラキラと飾り付けられている。
今晩はここで一晩、皆と一緒だ。
そのテントの傍に作られた焚き火を、皆が囲む。
甘いもの好きな参加メンバーが多いこともあり、武器商人がマシュマロを焼いている。
その手は細く、普段から旅をしているとは思わせないほどに綺麗だ。
「さあ、出来たよ。我(アタシ)の小鳥」
武器商人にとっては番であるヨタカへ、いい具合に焼けたマシュマロを差し出す。
「……悪いな、紫月……」
武器商人やルミエールは何ともないのに、鼻の頭矢頬、耳を赤くしたヨタカが2枚のビスケットでマシュマロを受け取ってスモアにし、明るい笑顔でそれを口にする。
そんな様子を、武器商人の隣にいたルミエールがココアの入ったマグカップを飲みつつ頬を緩める。
「小鳥、嬉しそう」
「……ああ……」
そんな小鳥ことヨタカが義父である武器商人と仲良くしているのに少し妬けてしまう気持ちはルミエールにはあるが、ヨタカ自身もまた気に入っており、微笑ましさも感じていた。
「ふふっ」
何より、最愛の父様と一緒の一時。
だから、あったかいココアを口にし、あったかい気持ちで父様に寄り添って。
「どうしたんだい、ルミエール」
「なんでもないよ、父様」
嬉しそうに微笑むルミエールは武器商人に体を寄せる。
義父の温もりを感じながらも、彼女は小鳥以上に大好きな父様と思う存分キャンプを楽しむのである。
*SS担当者:なちゅいGM