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奇跡は扉の向こうに
奇跡は扉の向こうに
イラストSS
聖なる夜に、大切な人に喜んで欲しいと選んだプレゼント。
ファクルはそっとベッドから起き上がり、用意してあったプレゼントの包みを手にした。
きっともう姉のアイシャは寝ている頃だろう。
蝋燭に明かりを点し、足音を立てないように、アイシャの部屋の前に立つファクル。
ゆっくりとアイシャの部屋のドアノブに手を掛けた。
思ったよりも軽いドアノブを疑問に思う間も無く、目の前にアイシャが表れる。
「うわ!?」
「ええ!?」
突然現れた相手にびっくりして声を上げる二人。
ふにゃふにゃと腰を抜かしてしまったアイシャにファクルは「大丈夫か?」と顔を覗き込んだ。
「まさか。ドアの外に誰かが居るなんて思って無かったわぁ」
「ごめん、俺もまさか姉ちゃんが居るとは……」
情けない顔でどちらからともなく笑い出す。
「ふふ」
「ははっ」
驚いて安心したら、おかしくなってきたのだ。
「ほら。これやるよ。姉ちゃんに」
差し出された青い包みにアイシャは目を輝かせる。
「あらあら。嬉しい。私もファクルにプレゼント。いつもありがとう」
「……おう」
姉の笑顔に何だか照れくさくなって。
ファクルは頭を掻きながら自室に戻っていった。
そんな弟の姿と貰ったプレゼントを交互に見て、アイシャは嬉しくなったのだ。
*SS担当者:桜田ポーチュラカGM