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リティ・グレッシェルのみやのによるおまけイラスト
リティ・グレッシェルのみやのによるおまけイラスト
イラストSS
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一人だが、寂しくはない。と、リティは思う。
街灯のの光を反射する雪がきらきらと光る。
コートを着込み、首にきっちり巻いたマフラーはしっかりとあご下までカバーしているし、手袋もきちんとはめている。
吐く息は白くなるが、寒すぎることはない。
冬だ。と、思う。記憶を失って真っ白になって。でも冬は冬だと思うし、夜にわざわざ出てきて肌で感じてみようという気にもなる。
頬に冷たいものが当たってひやっと飛び上がる。ぶら下がるタイプのイヤリングをつけていたのだが、思ったより冷たかった。手袋をはめた指でちょっとこすってみた。
空から雪が落ちてくる。降るというほど激しくはない。このくらいなら、地面が白くなる程度。朝の光に溶けてしまって積もりはしないだろう。
対岸の町並みは赤と緑と金と白だ。シャイネンナハトの喧騒は続いている。
橋を渡れば散歩気分で歩いて行ける距離だが、まだもう少しここにいよう。
雪と夜景が重なって見えて、結構きれいだから。
シャイネンナハトの思い出として、誰かに話すのに値する眺めだと思うから。
温かいものでも飲みたい。と、思えてくるまでここにいよう。
*SS担当者:田奈アガサGM