イラストSS

　ぱたん、とドアが閉まった。　外がとても寒かっただけに、室内の温度は少し暑いほど。
それ以上に暖かい感触が頭の上に載せられて、思わずノルン・アレストは顔を真赤にさせた。

「んー。どうしたのかな？　緊張しないでぇ？」

「っひ、うぅ……」

ばくばくと高鳴る心臓を抑えるように服をギュッと掴み、崩れ落ちるように体を曲げる。幼い身体はふるふると震え上がるが、触れる体積が大きくなってさらに墓穴を掘ってしまった。
その様子がカロン＝エスキベルにとっては面白い。もにもにと胸を押し付けながら、逃げ場を奪うように手を肩に置いて。抱きつくような形になれば、またノルンがひぃと呻いた。

「此処なら誰も見ていないもの。お姉さんといいことしましょうね？」

耳に口を寄せて、ささやくように。そしてあえて甘やかすような声でそっと頬を撫でてみせる。

「っ、うぅぅ…………。からかうのはやめてください……」

青少年には、それに加えて齢１０の少年であるノルンには流石に刺激が強い。やんわりとした静止も、ただただ無意味に終わって。
結局は押しに負けて、流されて部屋の中へと向かってしまうのだろう。その後の彼らは誰も知らない。


　＊SS担当者：金華鉄仙NM