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このパーティーは既に準備の段階からにぎやかなものだった。
皆で協力しながら飾り付けをし、テーブルを整える。椅子に座って各々がシャイネンナハトらしい格好に身を包んだ。
「そろそろかしら!」
「そうやねえ。ヨハンくん、任せてもいい?」
互いに目を合わせながら数子と真那は笑い合って、ヨハンへと音頭を強請った。
「勿論。じゃあ、せーの……」
僭越ながら、ともったいぶったように前置きをしてヨハンが音頭を取る。皆で顔を見合わせて。花咲くような声が揃って響く。
「「「「輝かんばかりのこの夜に!」」」」
乾杯の代わりの合図が交わされる。かんっ! とグラス同士がぶつかり合う乾いた音が響いた。
ぱぁん! と景気よく鳴り響くのはクラッカーだ。
「ひぇっ!? け、結構おっきいんやねぇ……」
「ふふ、真那ってば意外と怖がりやさんなのね! 私には負けるけどまあまあ可愛いじゃない……ん、これ美味し……」
「あんまり急いで食べると詰まらせちゃうよ、ミーティア」
思わず耳をぺたんと伏せ涙目になる真那を誂いながら数子はくすくすと笑う。
彼女もかなり浮かれているようで楽しそうにチキンを頬張っている。そんな姿にヨハンが苦笑しながら飲み物を差し出した。
「ありがと。はー、シャイネンナハトって最高ね!」
「ヨハン殿、儂にもワインお替り~」
普段から飄々とした雰囲気のクラウジアであるが、ワインを燻らせ機嫌が良さそうな様子はアンバランスな少女の体も相まって中々にいけない雰囲気を醸し出している。
「はいはい」
「僕にも……」
「冰星殿はちょっと呑み過ぎなんじゃないかの。ほれ、ほっぺが林檎みたいに真っ赤じゃぞ?」
「わっ、距離近っ……じゃなくて、その、やめてくださいよぉ」
成年組もそれはそれでにぎやかだ。酒も入っているからか口も柔らかく、距離も近い。
注がれる赤ワインを物欲しそうに覗き込み、手を上げた冰星もエッグノックの甘い味に絆されてすっかりと酔いが回っている。フォアグラも一番お気に入りのナッツをありったけ口に頬張って上機嫌だ。
ただまあ、冰星のその顔が真っ赤なのはクラウジアがからかうようにほっぺを摘んだせいかもしれないけれど。
*SS担当者:金華鉄仙NM