イラスト詳細
【Scheinen Nacht2020】輝かんばかりの、この夜に【4】
【Scheinen Nacht2020】輝かんばかりの、この夜に【4】
作者 | しもふり |
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人物 | エルス・ティーネ ディルク・レイス・エッフェンベルグ |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2020(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2020年12月24日 |
ボイス |
8
イラストSS
●夜の出来事I
「今夜は中々粘るじゃん?」
「粘るとは……その、一体!?」
砂漠の夜の冷たい空気に負ける事も無く、エルスの頬は上気していた。
それは恐らく隣に座る酒豪に合わせて付き合ったアルコールの所為であり、恐らくは彼自身の責任であり、止めようも無い程にエルス・ティーネ自身の問題の為であった。
「目ぇ回して寝ちまうかと思ってたんだが」
「そ、そんな事はありません。
第一、ディルク様は私に対して大きな勘違いをしておられます!」
過去に寝顔をからかわれた事を思い出し、エルスの顔は余計に真っ赤になる。
早口になった語調は何より彼女の動揺を表すもので、まったくもってその一切合切全てが語るに落ちているのだが、意地悪な男は「へぇそうかい」と笑いながら更にピッチを上げていた。
「……こ、今夜は最後まで付き合って貰いますからね!」
「『最後』ってのは何処までだい」
「へ!? え、ええと。その、それは、何て言うか!」
「ちゃんと言わんと分からんだろーが。え? 『最後』ってのは何処だい。
『初心者モード』で俺がアンタを送り届ければいいのかい?
それとも『中級者モード』で朝、コーヒーでも淹れてくれるの?
それ以上は――まぁ、いいや。言わぬが花だ」
「くっ……!
ディルク様、酔って――いえ、からかってらっしゃいますね!?」
カラカラと笑うディルクにエルスは漸く気付いて頬を膨らめた。
自分の好きな人はいつもこうなのだ。
そんなの、冗談じゃなければ――
(――別に、いくらだって構わないのに)
――彼は、彼も。乙女心に何時も知らない顔をする。