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ライアー=L=フィサリスの絢前ゆうたによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
ライアー=L=フィサリスの絢前ゆうたによるシングルピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
キラキラと輝く世界。街は光に彩られていて、空の星々に負けないくらいに輝いている。
シャイネンナハトの夜。その輝く世界の片隅で、ライアーはひとり、そわそわとした様子を見せて、待っている。
冬の夜の寒さも、今この時は気にならない。其れよりもずっと、気になる事があるから。
「……もうそろそろかしら?」
言葉には、高揚した感情が隠れずに乗っている。顔をあげて、辺りをみまわす。多くの人々でごった返す街。目当ての姿は見つからなかったけれど、それで気落ちするようなことは無い。
ふふ、と思わず、笑みが口をついて出る。シャイネンナハトの夜、大切な人との待ち合わせ。その喜びに、どこか頬も紅潮してしまう。
時計は見ない。待ち合わせの時間が近い事は知っている。いつ来てくれるか、そんなドキドキした感覚を楽しみに。
「もうちょっと? ふふ、とっても楽しみ!」
頬を緩めながら、再び顔をあげる。まだ来ないのかな。遅刻して来たら、ちょっと拗ねてみようかな。ううん、きっと遅刻するような人じゃない。でも、でも――。
――よく見てみれば、人の流れに逆らうみたいに、大切な人がやってくる。息を切らして、急ぐみたいに。その人は、ライアーを見つけて、笑顔で手を振った。
やっと来てくれた。その喜びを隠さず、ライアーは満面の笑顔で、大切な人を迎えるのだった。
*SS担当者:洗井落雲GM