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エルス・ティーネのろまやすによる2人ピンナップクリスマス2020(縦)
エルス・ティーネのろまやすによる2人ピンナップクリスマス2020(縦)
イラストSS
●砂漠の夜II
物好きな、と思わずには居られない。
そりゃあ俺様は自他共に認める『イイ男』。
世界中探したって俺に勝てる男なんざいねぇし、器量も金も十分に持ち合わせてる。そういう自信が無いとは言わねぇよ。
唯、こっちも自覚して俺が『最悪』である事は分かってる。
我ながら悪い癖だが、あのレオンとは別の理由で――俺はそう本気になった事が無い。件の『暗殺令嬢』には興味があったし、あのリュミエを見た時はぐっとは来たが、爺様の爺様の爺様のお相手と来ればそんなもんは御免被るし――面倒くさい。
そんな自他共に認めるこんな男に真顔で言う。
俺の性質をよーく知ってる癖に素面で告げて来やがるのだ。
「だから、私は――貴方様を愛しているのです」
……やめろよ、その顔。苛めたくなっちゃうからさ。
『自称千五百歳』の精一杯の努力にうずうずする。
これでも『紳士的』にしてるのにさ――
「まさかお嬢ちゃんからそんな台詞が聞けるとは」
「……もし」
「うん?」
「もし、少しも可能性が無いのでなければ。
――抱きしめてくれませんか。聖夜ですから」
――随分、頑張るから「こんな感じ?」とからかってやったなら。
「――」
「――――」
……この野郎、歯が揺れるようなえらく下手くそなキスをしやがる。
困ったお嬢ちゃんはどうやら引き下がってくれる気がないらしい。