イラスト詳細
Bitter & Sweet
作者 | 佐東敏生 |
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人物 | ドラマ・ゲツク レオン・ドナーツ・バルトロメイ |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2020(→おまけイラスト)(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2020年12月24日 |
イラストSS
●シャイネン・カクテル
「これは、大人扱いでしょうか」
聖夜のデートに『ロマンチックを』と強請れば、何時もからかい交じりに自分をやっつける酷い師匠も少しは話を聞いてくれるだろうと。そう考えたドラマの実に賢しく実に可愛らしい計算は一応成功したのだろう。
『トゥデイ・トゥモロー』は幻想の高級バー。やんごとなき身分のご歴々も愛用するこの場所で特筆するべきはその『防音性』である。上目遣いに視線を送ったドラマに「リクエストの通り」と肩を竦めたレオンの行きつけ――『安全地帯』に違いない。
「意外だったな」
「……何がです?」
「酒なんて飲みたがるとは思わなかった」
「そうですか? 普通に飲みますよ!」
「寝れなくなっても知らないよ、インソムニア。ホットミルクのがいいんじゃない?」
「……言っておきますけど、私はレオン君よりずぅっと! 年上ですからね!」
それを手管と知りながら――『膨れさせられる事自体が心地良い』のだからどうしようもない。恐らくは彼の期待通りの反応を『させられた』ドラマは、自覚して自嘲しながらも耳元を擽るバリトンの響きから逃れていない。『逃げる気がない』。
シャイネン・ナハトは特別だ。
この夜は別に恋人達の為のものではないし、自分は『そう』ではないのだけれど。
「でも、詰めが甘いですね、レオン君も」
「あん?」
「ここには――この間、アーリアさんも誘ったでしょう?」
複雑ながらに、実は少し嬉しかった『から』ドラマはレオンに反撃した。
「は――」
微かな笑いと共にロックグラスが涼やかに鳴る。
「そう言うだろう『から』誘ったんだけど?」
この野郎、そんな事を言いやがるとドラマはもう一度頬を膨らめた。