イラスト詳細
【クリスマス2020】センチメンタルなんてなかった
【クリスマス2020】センチメンタルなんてなかった
イラストSS
「あはははは!! そぉら飲めー!! 食えー!! きょーは曇華様の奢りだぜぇー!!」
シャイネン・ナハトの夜。
恋人同士のロマンチックな雰囲気……とは程遠く、居酒屋で叫んでいるのは曇華。
その手には酒が並々と注がれたジョッキ……そしてその横には、小さな子供の様に、二が、ちょこんと座っていて。
「……たんか。おさけ。そろそろ。やめる。いいと、おもう」
流石に酒を飲み過ぎだ、と感じた個どっも……いや、二が忠告するのだが、曇華はいとも解さず。
「ぁんだよ二ぃ、俺の酒が飲めねーってぇ!?」
酒をドン、と机に置きながら、叫ぶ曇華。
二は良く知っている……こうなった曇華は、もはや何を言っても聞いてくれない、と。
でも、曇華は更に笑いながら再びジョッキを手にして。
「ほぉーら! かんんぱーーい!! 今日は飲むぞー! 思いっきり飲むぞー!!」
周りの人達に次々と杯を交わし、ぐびぐびとジョッキを空にしていく曇華。
……本当は、一人ぼっちで寂しそうだった二を励まそうと言う曇華の、粋な計らいの筈だった。
だが……すっかり酒に呑まれた曇華は、二をさしおいて、周りの酒飲み達と盛り上がってしまっていて。
「……。はぁ……」
深い溜息を吐き、眉間に皺を寄せながら、二は曇華が酔い潰れるのを待つしかなかった……。
*SS担当者:緋月燕GM