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新田 寛治のあまによる2人ピンナップクリスマス2020(縦)
新田 寛治のあまによる2人ピンナップクリスマス2020(縦)
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ふんふん、と小さく鼻歌が響く。自由気ままなそれは曲でも何でもなく、ただ思うように歌うだけ。
彼女にとってはシャイネンナハトもクリスマスと呼ばれるものも馴染みはない。けれど皆が浮足立って楽しそうなものだから、こんな日には自分もちょっとだけ違う事をしたっていいんじゃないかって。
――故に。あのメガネのお誘いに乗ったのである。
普段と異なる服は、しかして露出を考えれば最初に選んだあの服とさしたる差はない。むしろこちらの方が布地がちゃんとしている。
それでも仄かに、むずむずとするようないたたまれなさを感じるのは人として過ごした時間が増えてきたからで。
(まあ、暖かいし……いいか)
なんて考えていたシャルルはゴロンとベッドに寝転がり、行儀悪くもそこに置いてあった本を開く。どうやら絵本の類のようで、シャイネンナハトに関することが綴られていた。それをぱらぱらと呼んでいた彼女の背後に、すっと気配が生じる。
「シャルルさん」
「ん……?」
視線を肩越しに。シャッターの音が小さく響いて。シャルルは目をぱちぱち、と瞬かせた。
*SS担当者:愁GM