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イラスト詳細

新田 寛治の威によるおまけイラスト

作者
人物 新田 寛治
リーゼロッテ・アーベントロート
イラスト種別 おまけイラスト(→元発注イラスト
納品日 2020年12月24日

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イラストSS

●どうして?
「――――」
 雪の散るバルコニーで静かな庭園を眺めている。
 冬の精霊と名乗られても違和感もない白い美貌に何とも言えない表情を乗せている。ドレス姿のヒロインは何処か虚無的であり、同時にやはり絵になった。
「また、こんな所で――お風邪を召しますよ、お嬢様」
 余人には及ばぬ絶対的な静寂に、低く響く穏やかなバリトンが手を差し伸べていた。暗殺を生業にするリーゼロッテ・アーベントロート(p3n000039)が他人に背後を取らせる事等有り得ないから、それは一歩を踏み込んだ新田 寛治(p3p005073)が『許されたから』という事に他ならない。
「皆さん、主役をお待ちでしょうに」
「……どうかしら」
「断言しても構いませんよ」
「壁の花、長くてよ。私」
「有り得ませんね」
 寛治はリーゼロッテの肩にショールを掛け、断定した。
「……どうして?」
 礼装(タキシード)に身を包み、オールバックに纏めた彼の視線がリーゼロッテを見下ろしていた。恐らくは何気なしに伸ばされた指先が自身の顔に触れた時、寛治は表情を緩めて続けた。
「――私が、させないからです」
 ちらちら、ちらちらと雪が舞っている。
「そう」とだけ応えたリーゼロッテは珍しく。
 この夜を何時もの――酷い冗談にはしなかった。

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