イラストSS

　冬の日没は早い。冬至を過ぎればあっという間に夕日が町を染め上げる。
　ベークの操縦する自転車に乗って、勢いよく坂道を下るフラン。
「いやっほーう！　いけーゴーゴー！」
　後輪に乗ったフランは片手を上げて気持ちよさそうに歓声をあげた。
　自転車はスピードを上げて、黒々とした木々はあっという間に後ろに流れていく。
「なんだかこのまま空を飛べそう！」
　有名な映画のワンシーンみたいに、サンタクロース見たいに夜空を飛んでいく。
　何故サンタクロースかって？　今夜はクリスマスだから。
　友達と過ごすクリスマスとくれば、パーティーを開かなくちゃ。
「ねえねえ、今日のご馳走なんだと思う？」
「定番のチキンとケーキ、でしょうか。後はサラダも」
「ジュース忘れてる！　あとお菓子も必要だよ」
「そうでした。じゃあ好きなジュースをお互いに買っていきましょう」
「賛成！　じゃあもう一つ追加で、たいやき買っていこう！！」
　善は急げ。パーティの時間は二人次第だけど、出来れば長い方がいいから。
　まずは袋にめいっぱい美味しい食べ物を詰め込んで、家に着いたら
　悪い事なんて忘れて、今日は思いっきり楽しもう。


　＊SS担当者：水平彼方GM