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フェスタ・カーニバルの大福 黒団子による2人ピンナップクリスマス2020(横)
フェスタ・カーニバルの大福 黒団子による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
●きっと、月しか見てないから
暗闇に包まれた寝室に、木が軋む音だけが木霊する。
フェスタを押し倒し、視界の全てを彼女で満たそうとティアが寄りかかる。月明りに照らされた顔は紅。
「ねえ、いいよね」
体温と体温が絡み合う。この屋根裏には、誰も入ってこない。
震える声、揺れる瞳、自らの首につけられた鎖が引っ張られ、ぶつかる事で生じた幾多の金属音。瞳を閉じてもはっきりと感じ取れるティアの興奮にフェスタは肺の空気を吐き出し、きゅ、っとただ時が過ぎ去るのを待つように。
そうしたって逃れられっこないのに、この胸を満たす幸福感から逃げるつもりなんて始めからないのに。
銀と淡い茶の髪が絡み合う、顔と顔同士が近づいていく。
ふと、自分も息が荒く、熱くなっている事に気が付いてしまえば、そっとフェスタの強張りは夜に蕩けるように解けてしまって。
「――」
「――うん」
ティアの言葉にただ静かに肯定を返すとフェスタはティアの唇を奪い、そして彼女を受け入れるのであった。
その後の二人の様子は、きっと星空しか知っちゃいけない。
*SS担当者:塩魔法使いGM