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沁入 礼拝の京月ささやによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
沁入 礼拝の京月ささやによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
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「最近、身だしなみに気を遣うようになったようですけれど、マニキュアの塗り方もご存じないのね」
「嗚呼、『人間』を理解するには時が不足している故にな──Nyahahaha!」
ㅤ漆黒のドレスを身に纏うものがたりと、その身なりを整えるバイオロイド。
ㅤ共に同じ人に想いを寄せる彼女らだったが、今日この日ばかりは、恋敵であることを忘れ、どちらか一方にその座を開け渡そうとしていた。
「オラボナ様、好きな色は?」
「カラフルな我に更なる色か。『赤』だ。三日月が如き深淵を思わせる真っ赤な業こそが私たる色だろうよ」
ㅤそのどちらかとは、オラボナである。
ㅤそして礼拝は、お洒落に頓着のないオラボナの身なりを整えるべくこうして苦心をしていた。
ㅤなぜ自分がという思いはあるものの、想い人の前にそのままのオラボナを出すのはプライドが許さないのか、黙々とその漆黒の爪にマニキュアを塗りつけていた。
「ふん、一式差し上げますから次からはご自分でやってくださいましね」
ㅤ全ての爪を塗り終えた礼拝は、素っ気ない対応を取るが、対するオラボナは余裕の表情でそれに答える。
「……私、貴女の事大っ嫌いですので」
「それもまた『人間』か──Nyahahaha!」
ㅤシャイネンナハトはまだ始まったばかりだ。
*SS担当者:七草大葉NM