イラストSS

　ゼファーとリースリットはシャイネンナハトのケーキの販売アルバイト。
　寒い中数々の露天が群雄割拠。今日のシャイネンナハト商戦を勝ち抜こうと思い思いの工夫でケーキを販売している。
　彼女らの販売するケーキは決して不味くはないがなんというか地味なのだ。
　オーソドックスで売りのないケーキ。
　周囲のケーキはどんどん売上をあげていくが、彼女らの店のケーキはいまだ段を連ねている。
　ぶっちゃけ売れてない。
「うう、どうしましょう？　ゼファーさん」
「こうなったら奥の手ね！！　リースリット。やるわよ」
「何をですか？」
「まずは手をこうやって」
　ゼファーは指先だけ曲げてフックのような形をつくる。
「こうですか？」
「そう、そして、モエモエきゅんきゅん！　繰り返して」
「も、もえ、もえ？　きゅんきゅん？」
「もっと声だしてこー！　モエモエ！！」
「きゅんきゅん！」
「はーいそこのお兄さん。美少女二人の萌えきゅんたっぷりのケーキはいかが？」
　ゼファーはいかにも草食系の男性を見つけると声をかけた。
「もえもえ……？」
「きゅんきゅん、愛をたっぷりこめたの、買ってほしいな？」
　男性は直立し、真っ赤になってはい！！　と返事すると財布からお金をだしてケーキを購入した。
「よっしゃ！　売れた！　この調子でいくわよ！」
　二人の少しいかがわしいケーキはこのあとめちゃくちゃ売れたのであった。


　＊SS担当者：鉄瓶ぬめぬめGM