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錫蘭 ルフナの棘ナツによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
錫蘭 ルフナの棘ナツによる2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
小さな明かりが灯るだけの、暗い部屋。
こほ、こほと擦れた咳と胸の痛みに、ルフナは身体を丸め布団を被る。
彼にとって、窓から見える真四角の景色が季節の全てだった。
そして、夕食に出されたトレイの上の申し訳程度のケーキとチキンで、今日が聖なる夜――シャイネンナハトだと知る。
そういえば、いつか熱でうなされている時に夢を見た気がする。急に明かりが点いたと思ったら、歩く性教育みたいなナースがやってきて――
「じゃじゃぁーん♪ シャイネンナハトに、おねーさんからの大サービスぅ」
「……夢か」
明るくなった視界に身体を起こせば、夢で見た光景そのものの――ピンクのナース服に身を包んだ利香(トナカイの耳付き)が、子供用のシャンパン片手に佇んでいた。
「夢じゃないですよ? 私がささやかながらパーティーをと思いまして!」
はい、と頭に陽気な帽子を乗せられて。いつの間にかベッド回りは飾られるわホールのケーキは置かれているわで状況が飲み込めない。
「……ははっ」
「あ、笑った」
「そりゃあ笑うでしょ、こんなの!」
余りにも破天荒で、けれどその暖かさが馬鹿みたいに染みてしまうから――たまにはこんな夜も、悪くないよね?
*SS担当者:飯酒盃おさけNM