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おかえり

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 赤いリボンを掛けたクリスマスリースに出迎えられ、ジェックとタントは家の中へと入る。
 ジェックが慣れた様子で壁際のスイッチを探し当てるとパチンと玄関に明かりが灯った。
 暗くて良く見えなかった互いの顔が今度はよく見える。
 タントの広いおでこが光を受けて眩しく輝き、その輝きに負けないくらいの笑顔にジェックは頬を緩めた。
 そして家に帰ってきたならば言わねばならないことがある事に気が付いた。
 
「ただいま」
「おかえりなさいませ! ……ただいま戻りましたわ!」
「うん、おかえり」

 玄関先で柔らかく微笑みあう恋人たち。
 タントとジェックは仲良く手を繋いで部屋へと戻る。
 冬の寒空に晒されていたというのに、タントの手は温かく、絡めた指先からじんわりと体温が分け与えられ冷え切ったジェックの手を温めた。
 遍く全てを温かく包む太陽。
 遍く全てを静かに見守る月。
 正反対なようで、だからこそ惹かれあう二つは部屋に戻っても離れなかった。
 窓から漏れる暖かな光とカーテン越しに映るのは仲睦まじい二人のシルエット。
 白く輝く軌跡を描き、聖者と彼に付きそう聖獣が二人を祝福するように夜空を駆けて行った。


 *SS担当者:白NM

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