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善と悪を敷く 天鍵の 女王の朝日奈臣による2人ピンナップクリスマス2020(横)
善と悪を敷く 天鍵の 女王の朝日奈臣による2人ピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
星に願いを込めて。
広々とした草原にごろりと横になれば、頬を擽る草の冷たさが冬を感じさせた。
「お嬢様も」
誘うように手を伸せばリーゼロッテは揶揄うように「あら、引っ張って下さるの?」と微笑んだ。腕に力を入れること無く少し引けば、彼女の体は簡単に転がってくる。
くすりと笑う声にレジーナは冬の寒々しさなど忘れたような心地になった。
「まあ、こんな聖夜に星見だなんて、貴女もお好きですこと」
「星にお願いをすると叶うと聞いたので」
「あら――……」
そっと、リーゼロッテの指先がレジーナの頬を撫でる。
鮮やかな、彼女を思わせた蒼き薔薇を指先に彩ったネイルが、妙にくすぐったい。
唇を撫でて、指先がすとんと落ちる。
「これ以上に望みなんてありまして?」
ああ、狡い人。
あの赤い瞳に見つめられてそんな事を問われても何も答えることはできなくなる。
でも、もう少しだけ乙女は欲張りなんですから。そんな事を言葉に含んでからレジーナはそっとリーゼロッテの手を取った。
指先を絡めて、離れてしまわぬようにきつく、きつく力を込める。
「……もう少し、こうしていたいとかはどうですか?」
レジーナの『少し』の努力にリーゼロッテは「考えておきましょう」と揶揄うように微笑んだ。
*SS担当:夏あかねGM