イラストSS

　シャイネンナハトの夜、君はどんな過ごし方をするだろうか。
　恋人と甘い一時。
　家族でパーティー。
　それとも聖歌隊に混ざって夜の街をゆくか。
「うっぷ、流石にもうくえねーぜー」
「もうだめ……動けない……」
　フラン・ヴィラネルとワモン・Ｃ・デルモンテは、めっちゃ食べまくって床に転がるという過ごし方を選んだのだった。
　あざらしのワモンは体中に装飾用のリボンをまき床にどべーんと横たわり、ふくらんだおなかの具合はもはやトドのそれであった。
　フランはフランで『トド二号』といった具合で、目をぐるぐるにして床に大の字に寝転んでいる。花の乙女の有様ではない。が、今日はよいのだ。今日ばかりは……。

　始まりはどんな話だっただろうか。
「シャイネンナハトの夜って、何食べたらいいんだろ」
　そんな何気ないフランの一言からだったかもしれない。
　ワモンが海洋の伝統料理を語り、フランは故郷で出てくるシチューの話をし、通りがかったウォーカーの仲間がスッと紙製のバケツに入った大量のフライドチキンの写真を見せてきたことで何かが決定した。
　二人は各地の伝統的なシャイネンナハト料理を持ち寄り、ブロックタワーゲームをしながら片っ端から食べに食べ……。
「で、どれが一番だった……？」
「わ、わからねえ……」
「だよね……」

　輝かんばかりのこの夜に――ごちそうさま！

担当GM：黒筆墨汁