イラストSS

　リアはベッドに横たわった。
　夜を紡いだ黒髪がシーツの上で波打つ。
　修道服から解き放たれた肉体は柔らかな曲線を描いている。こぼれ落ちそうな胸を支えるレースは黒で――本来なら慎ましやかな色だが――肌の白さをより強調して、豊満さを際立たせていた。

　反対側に、クラリーチェも寝転がった。
　ふわりと広がる銀糸の髪。
　リアを真似てこちらも下着姿だ。すらりとした色黒の体がレースの白さをいっそう清潔に見せている。
　少し顔を横に向けると、さかさまのリアが微笑んでいる。

　白と黒。

　対照的なシスター二人が、くつろいだ下着姿を披露しているのはもちろん――寝るためだ。就寝の意味で。
　シャイネン・ナハトの奉仕は普段の何倍も忙しくて、ベッドに横になっただけでもう眠気が押し寄せてくる。
「……いけない」
　とろとろとまどろみ始めていたクラリーチェは、緩慢な動きで眼鏡を外した。途端に世界が輪郭を失う。
　このまま眠りに落ちてもいいけれど、輝かんばかりのこの夜に、美しいものを眺めたくてリアの頬に手を添えた。
　そして鼻が触れるほど顔を寄せれば。
「見えた」
　潤んだ青い宝石が、紫水晶に映った。


　＊SS担当者：乃科GM