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いらっしゃいませ、ようこそ「スナック小金井」へ
いらっしゃいませ、ようこそ「スナック小金井」へ
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「そろそろ家に帰らなくていいんですか?」
家に帰るよりも、ここでママの顔を見て酒を飲んでいる方がいい。
そう告げると、小金井・正純(p3p008000)は困ったようにほほ笑み、おちょこに酒をついでくれた。
「もう、仕方がないですね。今日は特別ですよ?」
シャイネン・ナハトですからね――そういう正純ママではあったが、ママが客に甘いのはいつものことだ。
いつも「落ち込んでいるみたいですから」だとか、「今日は用事がありませんからね」だとか、「今日はひいきのチームが勝ちましたから」とか、「星がそういうのであれば」とか――星というのはよく分からなかったが――なんだかんだ理由をつけて優しくしてくれるのだ。
今日だって、シャイネン・ナハトだというのに嫌な顔一つせず、こうして店を遅くまであけてくれているのだ。
あれ、これはちょっといい酒じゃないのか……。
「わかります? 知り合いのつてで仕入れたものですよ」
これも導きですね、と頷くママ。じんわりと胸が熱くなった。
正直ママに甘えすぎている自覚はあった。
「? どうしました?」
いつもごめん、こんなダメな自分でごめん。
絞り出すようにそう告げるが、やはり、ママは嫌な顔一つせずに。
「気にしなくてもいいんですよ。私がやりたくてやっていることですから」
ママ……!
なんというか、無限にダメになってしまいそうだ。
*SS担当者:布川GM