イラストSS

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　シャイネンナハト。一年で一晩だけの、儚くも静謐な夜。
　冬の星は青白く輝き、濃藍の天鵞絨めいた夜空に散りばめられている。　
　その空の下に聳えるのは、目にも鮮やかな装飾が眩しいツリーと、それを取り囲むイルミネーション。

　ロマンティックな光景に目を細めてベンチに座る恋人達。否、腰掛ける男の肩に小さな女が座っていると言った方が正しいか。
　比喩ではない。単に小柄な女、というわけではない。文字通りに、吹けば飛びそうなほど小さな身体の女。そして、男はといえば、精悍そのものの真紅の若鷹。鳥人である。

　カイトとリリー、随分と体格も色合いも対照的なカップルだ。でも、二人の気持ちの大きさと深さは同じくらいで……
　ふと、冷たい冬の夜風が吹きつける。小さなリリーの身体が少しよろめくも、カイトの持つやわらかな翼が、彼女を守るように包む。
　恋人の翼に守られたリリーが、にっこりと微笑む。それを見たカイトが、そっと嘴を彼女に向ける。
　徐々に重なる影と影。リリーの柔らかで小さい唇が、ゆっくりとカイトの嘴に重なった。

　大きな彼氏と、小さな彼女の幸せな夕べ。
　静かで輝かしい冬の夜が、ゆっくりと更けてゆく……


　＊SS担当者：瑠璃星らぴすGM