イラストSS

『もしもし、幻介くんかな？　のっぴきならない仕事があるからお任せしても良いかな！？　あ、誰かとデートあるかな、ごめんね！？』
　――と言うのが12/24に来たクライアントからの依頼である。

　さて、仕事も終わったかと12/25の0時を過ぎた自室に戻った幻介。夜妖対峙を終えて寮の部屋の電気を溜息を混じらせてぱちりと付けた。
　刹那――パァンッ！
　思わず敵襲かと驚いたように幻介は構えるが、待ち受けてみたのはクリスマスの飾り付けや料理、飲み物が並んだテーブルにクラッカーを鳴らしたクライアントこと綾敷・なじみの姿である。
「メリークリスマス！　いやー、折角のクリスマスにお仕事をお願いしちゃったからね！　せめてものお詫びなのだ！」
　此の準備を全て一人でしたのかと驚いたようになじみを見遣ればどんなもんだと言わんばかりに彼女は胸を張る。
「はは……準備を有難う。だけどな、時間……」
「えっ！？　うぎゃ、25日になってる！？　わ、わ、早く寝ないとサンタさん来ちゃうよ！？　幻介くん、どうしよー！？
　う、うう……ごめんねえ、折角の再現性東京クリスマスをプレゼントしてあげたかったのに……なじみさんショックだよ」
　肩を落とした彼女を見て居るだけで笑みが溢れて、幻介は「有難う」と揶揄うように小さく笑った。


　*SS担当者：夏あかねGM