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アンジェリカの42田によるシングルピンナップクリスマス2020(横)
アンジェリカの42田によるシングルピンナップクリスマス2020(横)
イラストSS
アンジェリカ――否、鈴木 学がこの世界にやってきて、どれだけの時間が経過しただろう。
本来の肉体とは違う、理想のアバターと混ざり合った、奇妙な生活。
うちの子可愛いがしたいんであって、うちの子になりたいわけじゃあないんだよ、と召喚時にはぼやいたものだが、しかしどうすることもできず。
理想のアバター、アンジェリカとして過ごすシャイネンナハト。一人街角を歩く。『アンジェリカ』として気を使って購入した、可愛らしい冬服を着て。はぁ、と白い息を吐きながら。
――ふと、その頬に、冷たいものが当たった。不思議そうに、頬に手を当てる。少しだけ濡れた頬。冷たい水。次の瞬間には、白いちらちらとしたものが、視界の端に映っていた。
頬にあてた右手を、ゆっくりとかざす。そのてのひらに、落ちては溶けていく、小さな雪。
ああ、雪だ。と、アンジェリカは呟いた。それを合図にしたみたいに、風花のように、白い雪が舞う。
白く染まり行く街角に、驚いたように佇むアンジェリカ――。
「……ああ、これがゲームだったらスクショとるシーンだし、ピンナップとか発注するんだけどなぁ」
『学』はそんなことをぼやきながら、しかし降り始めた雪を『アンジェリカ』として楽しむのであった。
*SS担当者:洗井落雲GM