イラスト詳細
蒼剣教導(個人レッスン)
蒼剣教導(個人レッスン)
イラストSS
「これは貴重な修行の機会!
レオン君、早速――リュミエ様との仲介をお願い致します!」
「……」
「……な、何ですかその顔は。
た、確かにレオン君とは師弟関係ですが、私は本来魔術師ですし。
リュミエ様なら、きっと未熟な私では未だ及ばない神謀の叡智をお持ちで……」
「……………」
「も、もう! ずるいですよ、その顔!!
そ、そんな顔をされてしまったら……私……」
「……………………」
「分かりました、じゃぁレオン君で良いですよもう……
え? 消去法だと気に入らない? う、く、れ、レオン君がいいので教えて下さい! お願いします!」
惚れたら負けだとドラマ・ゲツク(p3p000172)はしみじみ思う。
我儘ばかり言いたくなって、我儘だって聞きたくなる。
こんな風に赤くなったり青くなったり――そんなのは絶対に自分らしくはなくて。
でも最大に問題なのはこんな『おままごと』みたいな師弟ごっこじゃない。
(最大の問題は――ええ、きっと。最大の問題は……)
珍しくやる気になって準備運動を始めるレオンを見ると本当は嬉しくなってしまう――きっと自分自身なのである。
(どうして好きなんだろう、こんな人)
自嘲気味に、そして皮肉る心算で考えても――
――凄く強いから。
――案外頼りになるから。
――実は優しい所もあるから。
――それでいてきっと弱い所もあるから、とか。
「何、頭抱えてンの、オマエ」
「……………ほっといて下さい」
――本当にそういうのって意味がなくてしょうがない!