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出逢い。そして――
出逢い。そして――
イラストSS
「実はボク、戦闘シナリオとかまだ行ったことなくて……」
そんな言葉と『これ』は余りにも釣り合っていない。
「……えっと、だから。こうやって誰かに教えてもらうの憧れだったんだ。
その……今回機会を貰えたみたいですごく嬉しい。ありがとうございます」
「うふふ、他でもない私に『教えて』欲しいなんて。
ひょっとして――そんなしおらしい顔をして、意外と悪い方ですのね?」
レオ・ローズ・ウィルナード(p3p007967)がリーゼロッテ・アーベントロートに師事を願い出たのは実に意外な出来事だった。
実を言えば殆ど実戦らしい実戦に出た事が無かったレオである。他に『教える適任』等幾らでも居たのだろうが、彼が選んだのは事もあろうか名にしおう『暗殺令嬢』だったのだから、自身の性質を十分に自認している彼女の反応も納得がいくというものだった。
「どんなにキツくても辛くても、ボクは頑張るから。その、よろしくお願いします!」
からかいはしたものの、めげないレオの真摯な顔にリーゼロッテは目を丸くした。
元々『食べてしまいたくなる』ような可愛い少年の事。必死な面立ちとその視線は満更でもないのかリーゼロッテは上機嫌に微笑んだ。
「そうですわねぇ、私――手加減するのが苦手ですから。つい『やり過ぎて』しまうかも知れませんけど。
うふふ、大丈夫です。あんまり痛くはしませんからね。少しだけ我慢したらきっと上手く出来ますから」
……つくづく人選を間違えた気はするが、薔薇の香りはこんな時も華やかだった。