イラストSS

●深緑の習い
「成る程、エリスさんは私に魔術を師事したいと」
　アルティオ＝エルムの中心地、大樹ファルカウを訪れたエリス(p3p007830）の今日の目的は、深緑の指導者にして幻想種の長たるリュミエ・フル・フォーレ(p3n000092)に神秘の術を習う為だった。
「ふむ、魔術、ですか……」
「お忙しいのは分かっているのですけれど……」
　思案顔をしたリュミエにエリスは少しだけ罰の悪そうな顔をした。上目遣いでリュミエを見るエリスは事実上の国主であるリュミエが先の『ザントマン事件』をはじめとした問題に取り組む身である事を承知している。
　それでも彼女がリュミエに対しての師事を願ったのは偏に彼女が『この世界ではない場所からやって来たエルフ』だからに違いない。
　親近感は見た目だけの問題では無い。恐らくは力の親和性も等しく、だ。
「いえ、嫌だとか断るというお話ではないのです。
　我々はそれ位は――頼み事は極力叶えたくなる程度には皆さんにお世話になりました。私がそうする事が貴方の為になるというなら、それは幸福な事です」
　リュミエは首を振り、恐縮するエリスに柔らかく微笑んだ。
　続く言葉は――
「ただ、少し――『どれ位』やってもよいものかと悩みまして」
「……はい？」
「どうも私の教え子は皆、いつも根を上げると言うか……
『意外過ぎるスパルタ』だとか『性格が変わっている』だとか。
　自分自身あまり自覚は無いのですけれども」
　……かくてエリスの願いは叶う事になる。
　果たして幸福だったかは知れないけれど……

※スキル『フォーレ・カース』を獲得しました！