イラストSS

　シャイネンナハトの数日前のこと。
　ラサで買い物を楽しむウィズィ ニャ ラァムとErstine・Winsteinは店の外に出ると思わず声を上げた。
「わあ！　見てみて、エルスちゃん！　すごいよ！」
　陽が落ちた蒼紫の空の下、煌びやかなイルミネーションを指さすウィズィ。
「ほんとね……凄いわ……！」
　Erstineも青目を輝かせて静かに驚く。
「シャイネンナハトの前だけれど……なんだか楽しくなっちゃうね！」
「本当ね。当日はもっと凄いことになるかも知れないわね」
　なんだかよく分からないけれど、飾り付けられライトアップされた冬の街は、高揚感をもたらしてくれる。
　二人は意味も無く嬉しくなって微笑み合った。
「それにしても……当日凄いことになる、かぁ……エルスちゃんはどんな予定があるのかにゃぁ？」
　駄犬でありながら猫語尾をつけて悪戯気味に水色の眼を輝かせるウィズィ。なんだか予定を知られてしまった気になるErstineはごまかすように首を振るが顔が赤い。
「ふふふ、当日のことは後でしっかり聞かせてもらうからね。そう、どこかで飲みながらでも……」
「も、もう、ウィズィさんったら……ほんとに何もないわよ……たぶん」
　なんて約束を交わしつつ、二人はイルミネーションに輝く街を並んで歩いて行った。

※担当『澤見夜行』