イラスト詳細
聖夜のワルツ
聖夜のワルツ
作者 | 佐東敏生 |
---|---|
人物 | リア・クォーツ ガブリエル・ロウ・バルツァーレク |
イラスト種別 | 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2019年12月24日 |
10
イラストSS
頬の熱は世界を狭める。
聖夜。遊楽伯爵の邸宅ではパーティーが開かれていた。
伯爵にとって懇意な貴族、個人的に親しき者を招いたその場には黒き衣を纏った『彼女』もいて。
流れる音楽。
沿って動く歩みは舞踊と成る。
「――」
その一時一時がリアにとっては永遠が如く。
吐息を感じる程の近き距離に――伯爵がいるから。
舞踊場には他に幾つもの組が在るが『外』の事などもはや己が世界に映らず。
「緊張されていますか?」
「え、えぇ――と。は、いッ」
「慣れぬならば仕方のない事です。こればかりは経験に尽きますからね」
呂律が上手く回らない。胸の鼓動が相手に伝わっていたりしないだろうか。
背の肌を晒している衣装。
普段の修道院における服と比べれば随分と大胆で、思い切ったものだが――『そこ』へ伯爵の手が添えられるとは予想外であった。素の肌と肌の触れ合いが一層に感覚を鋭敏にし。
「――伯爵」
それでも。
震えそうになる唇を整えて。
お誘い頂きありがとうございますと――言おうとすれば。
返された、ウインク一つに全ては飛んだ。
「~~!!」
綻びる表情。さすれば更に強く抱きしめられて。
後は流されるままに舞踊の波に溺れていく。
シャイネンナハトの夜に輝きを。
貴方の恋に、祝福を。
※担当『茶零四』