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イラスト詳細

新田 寛治の伊砂による2人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 伊砂
人物 新田 寛治
リーゼロッテ・アーベントロート
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
納品日 2019年12月24日

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イラストSS

 頭上に瞬くのは星よりも煌びやかなシャンデリア。
 暖色に照らされ、室内楽(ワルツ)の調べに酔うかのようなダンス・ホールは寒々しい幻想(そと)の風景と決して結びつくまい。
「壁の花の手を取るなんて」
「……ん?」
「それも、首が涼しい身の上で。貴方も酔狂な方ですこと」
「ええ、我ながらの酔狂ですとも。しかし、お嬢様には中々愉快な『冗句』でしょう?」
 青薔薇のドレスを身に纏ったリーゼロッテ(p3n000039)の言葉に、今日ばかりは折り目正しく正装を身に着けた新田 寛治(p3p005073)は僅かに唇だけを歪めていた。
「あら、随分と自信家ですのね。クリスチアンみたい」
「かの天才(いろおとこ)と並べられるのは光栄ですがね。
 お嬢様も罪な方だ。『この距離で他の誰かを口にするとは』」
「……成る程、確かに失言でした」
 丁々発止としたやり取りは翌朝冷見の仲(専ら寛治が悪い)とも称される二人独特の風情である。さりとて口の良く回る男の切り返しには流石のお嬢様も多少分が悪かった事を認め、苦笑いを返す他は無い。
「……でも、どうして?」
「お嬢様。青薔薇の花言葉を御存知ですか?」
「不可能?」
「今は『夢が叶う』です」
 壊れそうに細い腰をぐっと抱き寄せ、吐息の距離で寛治は笑う。
「貴方は美しいから。
 聖夜には魔法を試してみたくなるものですよ――この私でもね」

 尚、この後不明になって翌朝冷たくなって見つかった。

※担当『YAMIDEITEI』

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