イラスト詳細
カシミアクリスマス2019!!
カシミアクリスマス2019!!
イラストSS
●ゆらゆら
ログハウスの木の温もりの中、暖炉の炎に照らされ暖かで穏やかな時間というのは実に心地よい。
傍には自分に形も体毛の色も、よく似た耳と尾を持った金色のペット。
時折、暖炉の燃料がパチリと爆ぜる音とペット――ペテルの鳴き声が、適度なアクセントとなり退屈を程よく妨げる。
つかず離れず、暖炉の前で腰かけたカシミアは炎の灯に身を照らしながら、マグカップの中のカカオの香が穏やかな一時を彩る。
傍らにマグカップを置き、掌を炎に寄せ火の温もりを感じていれば、カップの傍にペテルが寄り……。
「……めっ」
「クー……」
叱責と共に額に触れる主人の指に、伸ばしかけた舌を引っ込め、真ん丸の眼の上半分をハの字に歪めて。
一歩を引くぺテルの頭を柔らかく撫でて、暖炉の過剰な熱を適度に遮りながらカシミアは囁いた。
「ミルク温めてあげるから、ね?」
「クークー!」
真ん丸の眼を細め、忙しなく尻尾をはためかせるぺテルに、柔らかく微笑みを持ちながら、カシミアは残ったココアを飲み干すと。
立ち上がり、ペテルの為のミルクとココアのお代わりを用意しに行き、ペテルはその背を嬉々として見つめる。
そんな彼らの金色の豊かな毛に覆われた尾は、忙しなさこそ違えど、同種の感情を表すように左右に揺れていた。
※担当『表川プワゾン』