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御天道・タントの川上らいとによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
御天道・タントの川上らいとによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
冬晴れの空は暖かく、のどかな空気を漂わせる。シャイネン・ナハトに向けてのお買い物を折角ならば『母子』で、と提案したのはどちらからだっただろうか。
最初は一寸した冗談で母子――男性と性別不明ではあるが、その外見は愛らしい少女同士そのものだ――として振る舞ったが芽生えた家族愛は決して嘘ではない。
「我が娘、今日は何処に行く?」
にんまりと微笑んだ天十里。マフラーを靡かせて、娘ことタントの手をぎゅっと握った彼にタントは「そうですわね」と悩まし気に唇をつんとさせた。
「お母様は何か欲しい物はございますこと?」
「そうだなあ……シャイネン・ナハトの準備だし、折角ならマーケットを見て回って見ない?」
もこもことしたケープに身を包んだタントはきらりと額と瞳を輝かせる。
『母』の手をぎゅっと握り、しきりに頷いて見せるタントは「とっても素敵ですわー!」と微笑んだ。
浮足立った心と共に、沢山の買い出しを行って聖なる夜に備えるのだ。
夜を共に過ごす訳ではない。だからこそ、輝かんばかりの夜を控えたシャイネン・ナハトを共に過ごしたいとタントは願った。天十里とて同じだ。
クリスマスマーケットを巡って、沢山のお買い物をしよう。誰かへの贈り物を選ぶのだっていい。
けれど、片手は確り開けて置いて。
離れぬように、逸れぬように。
この『輝かんばかりの夜』への時間を母と娘。二人で目いっぱい楽しみたいから。