イラスト詳細
PajamasPartyProject case:3『リア・クォーツの場合』
作者 | ちろりるら |
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人物 | リア・クォーツ ドラマ・ゲツク 善と悪を敷く 天鍵の 女王 ガブリエル・ロウ・バルツァーレク |
イラスト種別 | 4人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2019年12月24日 |
イラストSS
●乙女戦線! ~リアの陣~
さて。リア・クォーツ(p3p004937)、善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)、ドラマ・ゲツク(p3p000172)の三つ華パーティはどこまでも。咲き誇る色恋の談議は甘美なる蜜の如くで――となれば。
「それで、どうなの?」
「えっ、あ、いや、ど、どどどど……どうっ、て?」
「とぼけてもダメですよ……リアさんと言えば、伯爵様。あの方とはどうなってるのですか?」
やがてはリアにも順番が巡って来るものだ。レジーナとドラマの言は詰め寄る様に。
伯爵――と言えばかの『遊楽伯爵』以外に他あろうか。いやいる筈がない。ね、リアさん!!
腹を割って恋バナなどと言ったのだ。
貴方の番。大人しく話せ――とばかりに意気揚々と詰め寄れば。
「あ、あ、あたしは、ほら……元々、別に、その……特別な関係になりたいとかそういうんじゃなくて……ただあの方の力になりたいだけで……ほ、ほら、ガブリエル様とは身分全然違うし……だから、恋とかそういうの……あたしは、たぶんきっと……」
段々と語尾が小さくなっていくリア・クォーツ。レジーナ達の話を聞いていた頃の勢いはどこへやら。
赤らむ頬が彼女の心を示している。思えば想う程に気持ちは強くなって弾けそうだから。
だから――『そんな事はあり得ない』と呟くしかないのだ。生まれた立場が違うのだと。
夢は夢と見ておかなければ、きっと、私は。
心臓の鼓動に押しつぶされる。
いつだって優しい笑顔を浮かべている、あの方の音色が聞こえなくなる程に――
「――なーにを今更」
しかし。
「身分なんて些細なものでしょう我(わたし)たちには! イレギューズは可能性を求めてこそ! いつだって未来はやるかやらないかなのだわー!」
レジーナは言う。自らの気持ちを前面に出す事に竦むリアへ、叱咤するように。
天を指差し願いを掴むのだわ、と。背中をさすって彼女を励ます。歩まねば何も掴めない!
「そう! だから早くリアさんは伯爵様を誑かすべきです! 大丈夫ですリアさんなら行けます行けます!」
「た、たたたたた誑かす!!?!?!?!?」
さすればドラマの言が更に後押しを。
足を踏み出さず、己が心に嘘をついて何になるのか。
勇気づける様に笑顔と共に声をかける。されば更に顔を赤らめるリアに、笑みを抱くレジーナとドラマ――ああ。
誰もが誰かに熱を抱いている。消える事のない情熱を。この世でただ一人に抱く愛しき灯を。
部屋の灯りはまだ消えぬ。
彼女達の夜の語らいは――きっとまだまだ続くのだ。
想いの強さの限り。
今宵という日が明けようとも。
※担当『茶ントマン』