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イラスト詳細

クラリーチェ・カヴァッツァの奏多による2人ピンナップクリスマス2019(横)

作者 奏多
人物 クラリーチェ・カヴァッツァ
哀坂 信政
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
納品日 2019年12月24日

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イラストSS

 輝かしき夜と言えど例外はある。
「……世間は何かはしゃいじまってるが……
 俺は今日も閑古鳥の鳴く店で一人寂しく終えるんだよなぁ」
 信政は己が煙管を口に。端から零れた白いソレは、煙かそれとも吐息の熱か。
 彼の店では所謂和風の――特に古めかしい類のモノを中心に取り扱っている。
 ツリーやケーキと言ったモノが繁盛する中、今宵の商売は閑古鳥であり……
 早仕舞いでもするか。そのように思考した、その時。
「信政さん」
 んっ、と信政が振り向いた先。そこにいたのはクラリーチェだった。
 その手には何やら袋が握られていて。
「突然お邪魔してすみません。折角のシャイネンナハトですし、よかったらケーキでもと思いまして……こちらを、もしご迷惑でなければいかがでしょうか?」
「――」
 甘いのは平気ですか? と言葉を続ける彼女。
 されば一瞬。呆けた様な――形になるが。
「いや、そりゃありがたいが……ありがたいけどよ、ったく。折角ムードってぇのを作りやすい日に恋人のとこに行かずに俺なんかのとこに来やがってよ」
「恋人? そんな人いません……といいますか、恋とか考えたこともないですね……」
 思わずクラリーチェの髪を乱雑に撫ぜる信政。
 一方で彼女は不思議そうな表情を。全く、やれやれ――
 二人して中へ。戸の閉まる、音がすれば。

 その仲良き様を、どこからやってきたのか白き猫が――眺めていた。

※担当『茶零四』

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