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ベーク・シー・ドリームの南極れごによるシングルピンナップクリスマス2019(横)
ベーク・シー・ドリームの南極れごによるシングルピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
街の中心で一際輝くあの星。いつかどこかの世界の空であんな風に夜空で一際大きく輝いて、三人の博士に救い主の誕生を知らせて導いた星があったという。僕も導かれたとするならば、一体何の為に導かれたのだろう。何を知らせて輝くのだろう。ベークは大きな大きなモミの木の下で、高く輝くトップスターを見上げて思った。
街の外れからでも見えた、煌びやかに飾り立てられたツリーの天辺のあの輝き。登ってみたい。触れてみたい。そして、あの星が知らせるものを確かめたい。理屈などでは説明出来ない、強い衝動がベークを突き動かした。
青々とした葉を掴み、しっかりと張った枝に足をかけ、色とりどりの明かりをくぐり、導きの星を求めて昇る。サンタ服の半ズボンから露出した素肌に針のような葉が刺さっても気にならない。それよりも何よりも、胸が高鳴ってワクワクが抑えきれない。
そうして、辿り着いた先にはーー……。
ふわり。遠くソリの鈴の音聴こえる夕焼けと星空のグラデーションの中で、甘く、香ばしい香りがふくらむ。知っているけど知らない香り。
かつて、広い広い海原に撒かれた卵のひとつとひとつ。それはまるで、無限の漆黒の中分かたれた星が再び巡り会うような。
※担当『ゴブリン』