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清のnoriによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
清のnoriによる2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
「雪……やまない、ですね」
シャイネン・ナハトのこの日は雪が絶えず降っており、夜の冷え込みは一層のものとなる。部屋の中、清とレンは一緒の毛布にくるまり暖をとっていた。
「街はきっと、賑やかでしょうね……」
「いや、拙者はここで満足で御座るよ。……寧ろ、ここが落ち着くで御座るな」
賑やか華やかなお祭りごとよりも、大切な人と近くでふたりきり、それがいい。あまり光の当たらない人生を送ってきた彼らにとって、あの輝きはやや眩しい。
「……寒くない、ですか?」
毛布を余計に取ってしまっている事に清が気が付く。申し訳なさそうに、取っていた分の布団をレンに返そうとすれば、レンがもっと近くに身を寄せて。
「これですっぽり、問題ないで御座ろう?」
恋人の体温がぐっと近づいて、清の頬がほんのり染まる。鼓動は早まり、多幸感に寒さも忘れて。
「おや……清殿? 熱がおありか」
「……もふ」
反射的に、レンの左手を柔らかく噛む。照れ隠しの甘噛みだ。やってしまったと、清は再びすまなそうな顔をするが、噛む事は清の愛情表現でもある。レンもそれを分かっており、大事ないと微笑んで。
あたたかい時間は、ゆっくりと過ぎていく。
※担当『白夜ゆう』