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ゲオルグ=レオンハートのK.Tによる4人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
「そこのふわふわ羊さん、止まるのです!」
ゲオルグは元気な声に呼び止められて振り向いた。情報屋のユリーカだ。プルーもいる。
「やっぱりゲオルグとジークなのです! 情報屋に黙って面白いことをするだなんて、ずるいのです! なんですか、そのかっこいい恰好は?」
「これから孤児院にプレゼントにいくところだ」
ゲオルグはサングラスを持ち上げて、得意そうにちょっと笑った。ゲオルグとプルーは、正装に黒のジャケットをはおっていた。
「今日の夜空はメディウム・ブルー……ここで会ったのも、何かの縁ね。ご一緒させていただこうかしら」
「いいねぇ」
「メンバーが増えるのは歓迎だ」
というわけで、ダンディ☆プリンスに情報屋2人が加わった。
シャイネンナハトの聖夜。孤児院に訪れたゲオルグたちは、たちまち子供に取り囲まれる。ゲオルグは指先でくるくると魔方陣を描き、めいっぱいふわもこフレンズを呼び出した。小さな羊に囲まれる。
「ジークだ!」
「きゃあ!」
小さな羊は嬉しそうに返事をする。行儀よく並んだ子どもたちに、無事、プレゼントを配り終えた。
「今日は、おまけだ。もう一つプレゼントがある」
ゲオルグとショウは顔を見合わせ頷いた。バイオリンケースから楽器を取り出す。慣れた様子で、二人はバイオリンを演奏し始めた。
プルーは頷き、小さく声を歌に乗せる。それから、ユリーカも。
孤児院に荘厳な讃美歌が響き渡った。ゲオルグとショウは、競い合うようにバイオリンの音を響かせる。ゲオルグの音色は優しい。ショウはアドリブを聞かせながら、ゲオルグの旋律をなぞっていく。
ユリーカの歌う健気な主旋律に、プルーの大人らしい、つややかな声が乗る。
幻想的な光景だった。
聴衆は、思わず言葉を失って聞き入っていた。
あたりは一度しんと静まり返り、それからあふれんばかりの拍手が降り注いだ。ゲオルグは胸に手をあてて、丁寧なお辞儀をした。
「もう一曲、いけるか?」
ゲオルグの言葉に、ショウは当然だというように頷いて弓を構えた。頭の上では、ジークが頷いている。
「やってやるのです!」
ユリーカが元気よく頷き、プルーもゆっくりと羽をひろげた。
ゲオルグは小さく笑い、背中を預けて再び演奏にとりかかった。
今日はシャイネンナハト。特別な日。
あふれんばかりの贈り物を、子どもたちへ!
※担当『布川』