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津久見・弥恵の炭酸マカロンによるシングルピンナップクリスマス2019(横)
津久見・弥恵の炭酸マカロンによるシングルピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
寒い夜。
風の無い夜。
凍てつく銀盤を月だけが照らす夜。
微かなざわめきは、誰かが息を飲んだ音。
にわかに花開いた光が、全ての音へ静謐をもたらす。
現れた人影は天女か天使か、はたまた月と氷の妖精か。
銀盤に佇む月の精は腕を伸ばして天を仰いで――
刻まれる音楽隊のリズムがオーディエンスの心臓を打ち付けた。
鼓動と共に身体の芯を揺さぶるメロディーに乗せて、舞うは一輪の花。
妖精を思わせる美しい指先が、光に触れ――ジャンプ。
指先からこぼれ落ちた光の滴が、スポットライトに煌めいた。
銀氷月華――津久見・弥恵は、嫋やかな肢体を大きくそらす。
ピルエット。薄絹と共にはらりとなびく長く美しい髪――うなじ。
刹那、覗く凜とした面持ち。
その視線は熱を帯び、妖精は星の海を舞い踊る。
宙を揺蕩う氷は滑らかな頬を伝い、水滴となって鎖骨へ滴り――ステップ。
しなやかな足先から白磁の脚。凍てつく夜空を大胆に蹴り上げたその付け根、そして鼠径へ。
柔肌を縛る衣の窮屈は、蠱惑的に跳ねる腰回りを際立たせ、張り詰めたオーディエンスの視線は釘付けだ。
舞姫は空の月と鏡の月の狭間――シャイネンナハトの宵闇に輝いている。
※担当『pipi』