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イラスト詳細

月下のアンサンブル

作者 棘ナツ
人物 ヨタカ・アストラルノヴァ
ルナール・グリムゲルデ
イラスト種別 2人ピンナップクリスマス2019(サイズアップ)
納品日 2019年12月24日

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イラストSS

 耳に届いた音色が、誰かを震わせた。

 雪降る中、今宵一幕のステージに立つは――ヨタカとルナール。
 正装に身を包み、手にはコントラバスとヴァイオリンを携えて。
 奏でる。
 誰ぞに宛てた旋律か。或いは今日この日の為の旋律か。

 雪が散る。激しくは無く、ソレらもこの音色を聞きたいが如く。
 ゆっくりと。ゆっくりとその身を地へと辿り着かせて。
 聞き惚れるのだ。

 白き世界の狭間にて。一節一節を刻んで往く。
 指先に込めた集中が数刻と続くが――しかしそれを苦とはせぬ。
 手中へ抱く彼らの世界を知るのだ。演奏者とは指先で語るモノなのだから。
 込めるは力ではなく魂で。
 この世界を奏でていく。

 さすれば両者の間に笑みが零れて。

 意図してではなく自然に。さて、なぜかと問われれば答えに困るのだが。
 答えと出来るようなモノではない何かが――心に生まれていたから。
 シャイネン・ナハトの今日この日。年に一度の特別な日。
 彼らは奏でる。
 ゆるやかな、風が吹いた。ルナールの結んだ髪が沿う様に凪いで。
 音をも流す。どこぞへと、どこぞへと流れて……

 ――耳に届いた音色が、誰かを震わせた。

※担当『茶零四』

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