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小鳥遊・鈴音の鹿野慈による2人ピンナップクリスマス2019(横)
小鳥遊・鈴音の鹿野慈による2人ピンナップクリスマス2019(横)
イラストSS
「御田、さん。どうぞ――ですぅ」
雪の粉が舞う中、鈴音が御田へと被せたのは――黒のニット帽だ。
よく見ると頭の部分に二つ『耳』が付いていて、ともすれば猫のソレを思い浮かばせる。
ある人物に見守られながら造り上げた一品。
如何なる反応があるのか。
気に入ってくれるだろうかと、心臓の鼓動が速度を速める――が。
「おっとぉ! いいのか、これ、俺に? ホントか――暖かいな……!」
要らぬ不安だったとばかりに御田はにこやかなる言を返して。
されば、気持ち微かに垂れていた気がする鈴音の耳の先がちょこんと上を向くものだ。
それは感情の発露か――彼女自身も意識せずに見せた顔の色。
「――ありがとな」
たった一言、それだけで。
全ての労は吹き飛んだ。
「それ、と。実は俺からも渡したい物があるんだけど……受け取ってくれるか?」
「――はい! 勿論!」
プレゼント。それは決して鈴音からだけでなく、御田もまた彼女へと。
互いに互いを想っていた故にこそ用意していたモノがあるのだ。
争い無き、たった一夜のシャイネンナハト。
二人の今宵に祝福を。
※担当『茶零四』