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クリスマス2019(pes絵師様)
クリスマス2019(pes絵師様)
イラストSS
店の明かりに照らし出され、降り積もる雪が淡く輝く。往来には親子、恋人様々な人がそれぞれの聖夜を楽しんでいる。
蛍と珠緒もそんな人達の例に漏れず、宵口の雪絨毯を二人伴って歩いていく。互いの傍らには、パートナーの為に選んだプレゼントが。
交換は既に済ませているが、中身は二人とも確認していない。珠緒の家で同時に開けると約束しているからだ。
「蛍さん」
珠緒が口を開いた。何? と振り返る蛍に対し、珠緒は満面の笑顔で御礼を言った。
「今日は、ありがとうございました」
笑顔の珠緒はとても可愛くて、蛍はハグしたくなるのをぐっと堪える。場所が場所だったら危なかったかもしれない。
その代わりではないけれど、自分も同じくらい満面の笑顔を浮かべて言葉を返すのだ。
「ボクもとっても楽しかったよ!」
そんな蛍を見て、珠緒が繋ぐ手に僅かに力を込めたのだが、手袋越しの蛍は気付かなかったようだ。
「さて、お家に帰ろうか?」
「そうですね……ふふ、ぷれぜんとを開けるのが楽しみです」
「ボクもボクも!」
楽し気な会話と共に、雪絨毯に二人分の足跡が伸びていく。
それはきっと、この先も平行線を形作りながら今へ、そして未来へと続いていくのだろう。
※担当『澪』