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ジョゼ・マルドゥのSS用イラスト
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ラサで傭兵をやっていたなら、きっと傭兵団「柄久多屋」の名前を聞いたことがあるだろう。ジョニー・マルドゥを頭領とする傭兵団である。
今日はシャイネンナハトということもあって、忘年会がてらラサの酒場で飲み会が催されていた。
普段ローレットで活動しているジョゼ・マルドゥもラサへと戻り、楽しく酒を飲みかわしている……らしいが?
「よーしお前ら! じゃんじゃん呑めー!」
ジョッキを掲げて叫ぶジョニー。
今日は無礼講だと言わんばかりに赤いコートと三角帽子を被り、幻想で少し前に流行ったサンタクロース伝説の格好をしていた。
頭領がこの様子である。団員たちも今日ばかりは騒ごうと同じようなサンタクロース衣装を纏ったりトナカイの着ぐるみを着込んだりもみの木になりきったりと随分な様子であった。
「うおー! はなせー! いつまで抱えてんだよ!」
ジョニーの丸太のような腕につかまったジョゼは拘束をとこうと腕を掴み、足をじたばたさせていた。
「まあまあ。団長もジョゼを心配してたんだよ」
「この際だから傭兵団に戻ってくればいいじゃんか」
「そりゃあいい。ほら、もっと呑め」
「いらねー!」
ジョニーからジョッキを頬に押しつけられ、もがくジョゼ。
「まーたやってるよ……」
そんな様子を見ていたジュノーはクッキーをかじりながら親子のたわむれ(?)を眺めていた。
お気に入りの帽子はそのままに、コートはちゃっかりサンタクロース衣装である。
抱えられた状態のまま振り返るジョゼ。
「見てないで助けてくれてもよくないか!?」
「頭領の邪魔をするってのもなー」
「ジュノーーーーーー!!」
団員たちの笑い声。
ジョニーはジョゼを肩にがっつりと担ぐと、財布を投げた団員に払いを任せて店を出る。
「今日は気分がいい。もう一件いくぞ! 今夜ははしごだ! 朝まで付き合え!」
「いやだー!」
うわーと叫んでばたばた暴れるジョゼだが、まるで腕から逃れることはできなかった。
「頭領ー、そろそろ下ろしてやってもいいんじゃないすか?」
「ジョゼもあっちで仕事があるでしょーに」
ジョゼを哀れんだ(?)団員たちのフォローに、ジョニーはゆっくりと振り返った。
「今夜は……俺のおごりだ」
「「さっすが頭領! 次行きましょう!」」
「おまえらー!」
ジョゼの里帰りは、もうしばらく終わらない。
※担当GM『黒筆墨汁』