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酒々井 千歳のゆゆによるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
酒々井 千歳のゆゆによるシングルピンナップクリスマス2018(縦)
イラストSS
異世界。この混沌に飛ばされて――幾何経ったか。
「ああ全く、不思議なものだよね」
縁もゆかりもない筈だが、かつての世と似たような催しがここにもある。
ちらつく雪の中で千歳は思考する。故郷の世でこういった時、如何過ごしていただろうかと。隣にいる――彼女と共にいただろうかと。淡い紫色のマフラーを首に。
さればそのマフラーを触りながら、言う。お揃いですねと。
「……うん。一緒の物が、良くてね」
彼女もまた同じ紫色のマフラーを身に着けている。
同色同物。それは、互いが一つである事の証左……いや、そこまで小難しい理由ではないか。ただ単に、これが良い。これを共に付けたいと――願った故になだけの事。
催しは似ていてもここは故郷に非ず。遠く、しかし伴侶と繋ぐ手と手はどこまでも近く。
永久に変わらず、寄り添い続ける。
※担当GM『茶零四』